なつかしの昭和おもひで歌謡曲

高校生は楡の木陰で弾み、中学生は先生に淡い思いを抱いた頃。そんな青春は長い坂を登るようで、たどりつける先はわからない・・・・なつかしい時代の歌を個人的体験に重ね合わせ、勝手(独断)に語ってます。

[ 2017-08 ]

This is my trial 裕ちゃんのホワイト・クリスマス THE PEANUTS “THE BEST 50-50” ベスト30 昭和クリスマス What A Fantastic Night! 〈COLEZO!〉ビクター流行歌 名盤・貴重盤コレクション(6)誰よりも君を愛す~吉田メロディーを唄う~ GOLDEN☆BEST 新・三人娘~天地真理・小柳ルミ子・南沙織~</td>


↑最新ページはここ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

背のびして見る海峡を

銀座のクラブ「姫」のオーナーだった山口洋子は、直木賞作家でもある。
しかし、なんといっても有名なのは作詞家としてでしょう。
五木ひろし中条きよしを世に出した印象が強力だ。『よこはまたそがれ』、『うそ』、それに加えるなら野村真樹(現・野村将希)の『一度だけなら』等々、若手の演歌男性歌手のデビューを見事に成功させた。

男性に女心を歌わせる作品は古くからあるが山口洋子の場合、基本コンセプトに「ホスト化」というかヒモっぽい男が登場するわけで、明らかに夜の酒場の女たちをターゲットにしていた節がある。もちろん自身がその筋の人だから、経験に裏打ちされたリアリティなのでしょう。

背のびして見る海峡を
背のびして見る海峡を山口 洋子

おすすめ平均
stars演歌が聴きたくなる作品

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
↑そんな古い作品じゃないのに、ほとんど書店で見かけません。古本なり図書館で探してね。

そんな彼女が書いた本書は、中短編三作で成った小説集である。
いずれも自身の体験した回想記的なもので、いわば「実録小説」といったもの。なかでも表題作『背のびして見る海峡を』が秀逸!まずもって、タイトルが素晴らしい。素晴らしすぎる!

ある年代の方ならすぐにピンとくるでしょう。そう、森 進一が歌ったヒット曲でお馴染み。そして、改めてこのフレーズの強烈さに気づかされる。(彼女は何の関与もしてない歌だが、歌詞の冒頭をタイトルに持ってきたのは大正解!)

山口洋子はこの歌について「古めかしい」と書いているが反面、曲全体としての凄みに実作者としての悔しさもにじませている。この歌詞は雑誌「平凡」の募集したもので、補作をなかにし礼が担っている。そして、作曲が猪俣公章である。

その猪俣公章を描いたのがこの作品になる。彼の「情けなさぶり」をこれでもか、というほど書いている。彼との親交がここまで内実に迫れたわけで、もっともその交際ぶりは迷惑以外の何物でもなかったと語る。
だから、これは「腐れ縁」で繋がれたとしか言いようのないものだ。
でも、そんな繋がりこそが、実は一番強力であることを教えてくれる。

追伸~冬美こころの猪俣メロディー
追伸~冬美こころの猪俣メロディー山口洋子 坂本冬美

おすすめ平均
stars少し残念な、編曲・・・

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
↑猪俣の秘蔵っ子も、いまや大御所感漂う。

作詞家として猪俣公章と組んでいてもまったく「引き」がなく、むしろマイナス面ばかりだったという。
後に『千曲川』の大ヒットを生むが、それとて山口洋子のために書かれたスコアではなかった。元は星野哲郎の作詞で『笛吹川』という作品のための歌詞で、川中みゆきが歌う予定だったらしい。強引に山口洋子が欲して譲り受けた。(奪った)

本作品には、猪俣公章の良さは一つもでてない。むしろ貶める内容ばかりで、いかに「ダメ人間」だったかが書かれている。迷惑ばかりをかけられた山口洋子の筆は容赦ない。だが、それゆえ逆説的に猪俣公章のチャーミングさが表されている。そして何よりも、ここには「愛」がある。

それも出来の悪い弟や息子にかける肉親の愛情だ。
そして猪俣公章も「甘え」の感情を持っていた様子が伺える。つまりこの小説は猪俣公章の内実を書き綴りながら、賢姉愚弟や母子の物語としても読める。
彼との特殊な関係があればこそ出来上がった実に稀有な作品。
こういう小説、もっと読みたいけどなかなかないだろうな・・・。

特筆すべきは、山口洋子の視点と筆力の見事さであろう。彼女の人間観察力の鋭さは、作家になる以前からすでに充分「夜の世界」で磨かれていた。
そこに読みやすい文章力が備わったのだから、これはもう作家になるべくしてなったとしかいいようがない。いや、おそれいりました。

PS:
本作品には、猪俣門下生の森 進一日吉ミミ、坂本冬美、マルシアも登場する。さほど多くは描かれていないが、「坂本は溺愛していたが、マルシアはそうでもなかった」といったエピソードが面白い。
ただし山口は、坂本について当時も今も声質にピンとこない書いている。
(男性歌手の特質はわかっても同性だと鈍る?)


テイチクミリオンシリーズ 中条きよしテイチクミリオンシリーズ 中条きよし
広田文男 中条きよし

テイチクエンタテインメント 2009-09-23
売り上げランキング : 158535

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
↑かなりの寵愛をうけたのでしょうか(笑)。

★山口洋子(ウィキ)



にほんブログ村 音楽ブログへ






↑あなたにあげた クリック返して~(←返さないけど、お願いします)

<広 告>




スポンサーサイト

御三家歌謡映画の黄金時代

昔の映画、とくに邦画が好きで、それも名作と呼ばれる作品よりも量産されたプログラム・ピクチャーに魅かれる。自分が生まれた時代、あるいは生まれる以前の頃の作品に興味をおぼえる。それはその当時の風俗、流行が描かれているからで、なんとも懐かしい気分(知らないことでも)にさせられるから。

一連の日活モノや歌謡映画なんてその最たるものだ。ドラマの出来はけっして褒められたものじゃないけど、時代の勢いがストレートに現れていてとても興味深い。

本書で取り上げられた作品は、橋、舟木、西郷、三者の三作品である。
  ●橋 幸夫 『いつでも夢を』 『あした逢う人』  『江梨子』
  ●舟木一夫 『北国の街』   『高校三年生』   『仲間たち』
  ●西郷輝彦 『涙になりたい』 『恋人をさがそう』 『涙をありがとう』

これらの作品を時代背景と照らし合わせながら語り、「歌謡映画」とは何だったのか結論付けている。

御三家歌謡映画の黄金時代―橋・舟木・西郷の「青春」と「あの頃」の日本 (平凡社新書)御三家歌謡映画の黄金時代―橋・舟木・西郷の「青春」と「あの頃」の日本 (平凡社新書)
藤井 淑禎

平凡社 2001-11
売り上げランキング : 461528

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
↑たしかに「あの頃の日本」って感じだなぁ・・・。

清く正しい男女交際、貧富の格差、人としてのモラル等々、今の時点で見ると不思議なことだらけだが、当時はそれが当たり前だったのだ。そして歌謡映画の中に、一種のお手本を求める姿勢へとつながっていく。制作側もまたターゲットである若者に対して、啓蒙の気持ちがあって良識が見える。

時代もまた、男女交際のあり方、進路の選び方、ファッション・リーダーとしてのスター、などというのがこの頃から目立ってきたという。

結論として、何の変哲もない日常をリアルに描いた映画、そして現在から振り返った時には高度成長期という激動期・過渡期の見事な証言者というのが歌謡映画の正体で、実はその歌謡映画そのものも時代的に見るときわめて過渡的な産物で、それはテレビというものの過渡性と密接な関係があった、と著者は語る。

つまり受像機の性能とテレビドラマの品質とがいまだ充分なものでなかったからこそ歌謡映画は存在価値があって、延命できたと言う。酷かもしれないが、まあ、そうなんだろうな。
そして何よりなるほど、と思ったのは「当時の若い層を対象にした、ほとんど唯一のジャンルであった」ということ。

いつでも夢を [DVD]いつでも夢を [DVD]

日活 2008-02-09
売り上げランキング : 47679

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
↑トラックのあんちゃん役にピッタシ!

本書で印象に残ったのは『いつでも夢を』について語った部分だ。
この作品は昭和38年の正月映画で、同名主題歌は封切り直前にご存知、橋幸夫・吉永小百合のデュエットでレコード大賞を受賞している。ところがこの年の興行ベストテンには入ってきていない。

著者の考察はこうだ。
今なら高く評価されてもいいような部分が、当時は何の変哲もないものとして見過ごされてしまった。歌謡映画の持ち味である日常への地を這うような視線、それゆえの時代や社会の鮮やかな摘出。それらは今の眼で見ると光り輝いているが、逆にあの時代の中ではそのリアルさがかえって仇となって周囲になじみすぎて埋没してしまったのかもしれない、と。

そのひとつが、定時制高校に通う働く青少年をめぐる問題。
この頃の高校生の全日制と定時制の生徒数は、昭和38年度で全日制340万人に対して定時制が46万人。1割以上が定時制高校生という時代だった。

封切りから2ヶ月後の昭和38年3月、当時の池田首相の音頭取りで就職の際に定時制卒業者を差別しないようにとの閣議決定が成されている。(本作では就職差別の問題も描かれている)
このあたりの世相とのかみ合わせ具合もまた今から見ると興味深いが、当時はそれもまた当たり前すぎて人々の目に留まりにくかったのだろう。

同時代ではわからなかったことが、後でわかるってアイドル歌謡にもいえることでなかなかどうして。やっぱり面白いなぁ~。

北国の街 [DVD]北国の街 [DVD]
富島健夫

日活 2007-05-03
売り上げランキング : 72345

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
↑綺麗だった頃の和泉雅子・・・。

★ヒット曲映画化作品



にほんブログ村 音楽ブログへ






↑いつでもクリックを~(←お願いします)

<広 告>




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。